ノマドワークという言葉がはやって以来、何かノマドワークが流行の最先端のように考えている人がいます。
もちろん確かに、ノマドワークという働き方はこれまでになかった新しい働き方であるのは間違いありませんが、それは決してファッショナブルなものではありません。むしろ、非常に泥臭い、努力と根性が似合う物なのです。
何故かおしゃれなイメージのノマドワーク
インターネットで「ノマド カフェ」と調べると、検索上位に出てくるのは「おしゃれなカフェ」ばかり。それこそ「仕事がはかどるおしゃれなカフェ〇選」なんて言う、おしゃれであることを前提とした記事も少なくはありません。もちろん、おしゃれであってはいけないとは思いませんし、おしゃれでいられるならそうであった方がいいといえばいいのでしょう。しかし、現実を考えれば、むしろその不効率さは言うまでもありません。
というのも、やはりおしゃれであるという事にはお金がかかってしまいますし、人目を気にしながら、一つのファッションスタイルとしてノマドワークをやって効率や能率が上がるとは思えません。ノマドワークとはそんなものでは決してないのです。
カフェでマックなノマドワーカーへの疑問
いまだによく見るおしゃれなカフェでマックブックを開いているノマドワーカー。
その必要性ありますか?
コスト意識を高く持つ
ノマドワーカーは、自由にどこでも仕事ができるというのがその利点の最大のものです。しかし、残念ながら、日本はほかの先進国と比べてWi-Fi環境がデフォルトで存在している場所が少なく、中々ノマドワーカーが働ける場所がありません。
そこで、ノマドワーカーの仕事場として一躍注目を集めたのがカフェ。落ち着いた音楽が流れる環境と、癒しの効果の高いコーヒーの香り、そして、おしゃれな空間に常設されているWi-Fi環境。そんな、まさにオアシスとでもいうような空間が、ノマドワーカーの主たる仕事場のように考えられています。
しかしここで考えなければいけないのは、その環境に払うコストです。そう、どこでも自由に働けるノマドワーカーがコスト意識を持たなくなってしまったら、実は結構大変なことになってしまうのです。
カフェに払うコストは大きい
もちろんカフェにもよりますが、一番有名なスタバで考えてみましょう。スタバにおけるコーヒー一杯の値段は、もちろんサイズや種類にもよりますが、最もコスパの良いもので1杯の値段が400円ほどします。もちろん、その一杯だけで何時間にもわたる作業をしてしまえばいいのですが、さすがに店員さんの目も気になる。となると、2杯、もしくは3杯と飲んでしまうこととなり、気が付けばドリンク代だけで1,000円を超えることもしばしば。
更にそこまでの交通費やランチ代などをそこに加えると、一回の外出に2,500円ほど使うことになります。こんな働き方を、一か月続けるといくらになるかというと、何と6万円です。この値段、ちょっと郊外になれば結構なアパートが借りられる家賃分くらいの支出になっていますよね。
別に安いWindowsマシンでも仕事は普通にできる
そして、さすがにもう時代遅れの感はありますが、それでも少なくないのが、カフェでマックブックを開いている人。もちろんマックブックが悪いとは言いませんが、本当に仕事をするときにマックブックを開いていなければいけないのかどうか、きちんと考えているのでしょうか。ハッキリ言って、デザイン系の仕事でもない限り、パソコンがマックである必要はどこにもありません。
よくマックブック(特にAIR)は軽いのでノマドワークに向いているという話を聞きますが、別にWindowsマシンがそこまで重いというわけでもありません。
更にWindowsマシンの世界シェアはほぼ9割に迫っていて、ビジネスにおいて欠かすことのできないクライアントとの互換性の面においてWindowsマシンはマックの数段上をいきます。仕事で書いたファイルが転送したとたんに文字化けしていたというのでは、目も当てられませんよね。
しかもやはりWindowsマシンは、その値段が安く、常にコスト意識を持っておかなければならないノマドワーカーにとってはありがたいPCが多いのも特徴的です。ショートカットキーも覚え直さなければいけませんし、事務所や備え付けのPCで仕事をしなければいけない場合などに、やはりWindows慣れしていると非常に便利です。
ノマドは自由だけれどビジネスはビジネス
ノマドの良さの最大のポイントは、やはり自由なことです。しかし、いくら自由な働き方とは言え、そこはビジネスなのですから、一番避けなくてはならないのはトラブルであることは言うまでもないでしょう。どこでどんな仕事をしていようとも、ライターであろうとイラストレーターであろうと、音楽家であろうとそれは趣味で作っているのではなくクライアントに納入すべきものです。
そして、フリーランスに近い働き方をしていればしているほど、クライアントは一定のだれかではなく、ランダムな複数の人間ということになるはずです。そんなとき、Windowsマシンとの互換性に不安のあるマックを使うのは、どうでしょう?もちろんマックを使っていても、トラブルが起きないように工夫することはできますが、トラブルが起きないように最善を尽くすのが、ビジネスの基本中の基本のはずです。コストを考えても、そしてビジネスの基本で考えても、もはやマックである必要性は全くないといって過言ではないでしょう。
ファッションノマドを卒業しよう
もちろん、ノマドワーカーとして潤沢な資金があり、固定のクライアントがマックユーザーなら問題はありません。ノマドワークというのは、自由に自分のスタイルで仕事をすることなのですから、カフェでマックブックを開いていてもなんの問題もないのです。
しかし、潤沢な資金があるわけでもなく、また、マックユーザー以外の仕事を受けているなら、カフェでマックという働き方は、ファッションノマドといわれても仕方がありません。
きっとそんな働き方は長続きしませんし、ノマドワーカーとして生きていくこと自体を途中であきらめてしまう事にもなりかねません。先ずは、もしあなたがカフェでマックブックを開いているのなら、そうである必要性が本当にあるのか考えてみて、その必要がないなら、そのファッションノマドを辞めてみてはいかがでしょうか。
ノマドワーカーは自制の精神が必要
ではノマドワーカーに必要なマインドとは何なのか。
そう、それは自制というマインドなのです。
何の保証もない生き方であるという自覚
ノマドワークというのは、自由で気ままで、そして何の保証もない生き方です。そして、それなりに大きな利益を生み出すスキルや肩書、もしくは知名度がない限りは、非常に収入が不安定な仕事でもあります。ノマドワーカーは仕事のチェックを誰かがしてくれるわけでもなく、また、クオリティーが下がっても親切に指導はしてもらえません。そうなれば、ただ、見放されるだけの存在でしかないのです。
そうである以上、そこに必要なのは、自分で自分を制していく自制心というマインド。
確かにおしゃれな作業空間には憧れますし、おしゃれなノートパソコンを持ち歩きたいという気持ちが全く理解できないということはありません。しかし、ポケットWi-Fiを持ち歩いて、Wi-Fiのない椅子と机だけのあるファミレスで仕事をすれば、ずっと安く上がります。もっと言えば、家でやれば滞在費はゼロ。別に家族と住んでいるのでない限り、自宅ほど快適スペースは存在しないのですから、何の問題もないはずです。
さらに、安くて互換性の高いWindowsマシンを使えばコストカットはうまくいきますし、信用も損なう危険が減ります。
そういった、自制のマインドがないと、ノマドワーカーはやっていけないのです。
コワーキングスペースやカフェは儲かるようになってから
もちろん家には誘惑が多いですし、家族がいるとままならない時もあります。しかし、コワーキングスペースにしろカフェにしろ、滞在するだけでコストのかかる場所というのは、ノマドワーカーとしてある程度の稼ぎが出てから利用しても遅くはありません。特にコワーキングスペースは、ファッションノマドとは違って実質的に有用な場所ですし、慣れると非常に快適で仕事のはかどる空間になっています。
あまり儲けの出ていないころに、たまの贅沢で利用するには確かにいいところでもあるのです。しかし、駆け出しのころは、いつかはコワーキングスペースに入り浸って仕事をできるようになりたい、そう考えながら、自宅で安いパソコンをたたきながら地道に努力して資金をためていく。ファッショナブルとは程遠い姿で、節約しながら働く。
じつはノマドワーカーとは、そんなコスト意識をしっかり持ったうえで、自制のマインドを働かせて地道に努力することが求められる働き方でもあるのです。
ノマドワーカーの評判は仕事の質で上げる
ノマドワーカーが注目され始めたころ、それは意識高い系のおしゃれ働き方として紹介される傾向にありました。
しかし、本来はそんなことはなく、もっと言えば、おしゃれであることに注目されても、ノマドワーカーの社会での評判には何のいいこともないのです。そうではなく、ノマドワーカーは、その自由な生き方の中で生まれる発想や、その快適な環境で働けることによる仕事の質や能率の向上に目を向けてもらわなければいけません。
ノマドワーカーに仕事を頼めば、普通とはちょっと違う着眼点がもらえる。もし社会にそんな認識を持たれるようになれば、おしゃれで憧れの意識高い系の仕事、というイメージを持たれるよりも、当のノマドワーカーにとって何倍も利益があるはずです。
つまりファッションノマドを卒業して、自制心のあるしっかりとした「職人」の様になっていくことは、ノマドワーカー全体の利益に代わっていくのだという認識を持っていなければいけないのです。
パラレル
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