複業(パラレルワーク)

社会人1年目から複業家として働くということ

複業という働き方

副業という働き方は、多くの人が認知していますが、もう1つ複業という働き方があるのを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。

今までとは違う働き方をしたいと考えている人にとっては複業もまた、選択肢の1つとなりうる働き方です。

副業と複業の違い

まずは副業と複業の違いについて理解しておきましょう。副業というのは、本業とは別に何らかの労働をして収入を得るという働き方です。

副業をおこなう目的は基本的に収入をアップさせたいというものです。本業の収入だけでは生活していけないため副業をする人も居ますし、何か欲しいものを購入するという目的や、旅行に行きたいといった目的で副業をするという人など、副業をする理由は人それぞれです。

副業の場合

副業の場合、一般的には業種に関しては特に本業との関連性は考えません。

ですから基本的に副業をすることによって本業との相乗効果が生まれることは少ないですし、スキルアップや人脈を開拓することもあまり期待できません。(但し本業を活かした副業は別)

複業の場合

一方、複業という働き方の場合、収入よりもどんな働き方をするかを重視します。複業の場合は本業と関連性のある業種で働くことが多いです。

副業の場合は本業でおこなっている仕事と、そうではない仕事にははっきりとした優劣の差がありますが、複業の場合はどちらも本業といってよく、優劣の差はあまりありません。

複業ではそれぞれの仕事に関連性があるため、相乗効果を期待できますし、新しい人脈を形成できたりします。更には自分自身のキャリアにも大きな影響を及ぼす事でしょう。

意識の違い

また副業と複業との大きな違いの1つに働いている人の意識の差があります。まず副業というのは基本的に本業に気づかれないようにこっそりとおこなうのが基本です。

副業をしている人にとって最も大切なことは副業が本業にとって悪影響にならないようにする、という事です。ですから本業に対して副業をしていることを大っぴらに公表できないことがほとんどです。

実際に本業の妨げにはなっていないとしても、副業をしているということが発覚するだけでそれが本業の妨げになっていると捉えられ、マイナスイメージになります。

複業をやることの意味

しかし複業の場合はそれとは大きく異なります。もちろん会社の規定で複数の企業に勤めることを禁止している場合は複業をするべきではありませんが、そうでない場合は大きなメリットになります。

複業をしている人にとって、たくさんの企業の仕事を請け負い、実績を積んでいるということは大きなアピールポイントになりますから、隠すなどという事をしてはいけません。むしろ企業から仕事をもらうために率先的に宣伝していく必要があります。

更に複業をスムーズにこなすうえで必要なのは人と人とのつながりですから自分自身の事を隠していては何にもなりません。

複業という働き方をしている以上、会社のブランドネームというものを利用することができないので、自分自身の経験とスキル、そして人脈が仕事をもらえるかどうかを大きく左右します。

副業と違って複業をする場合は、自分がどういった仕事を今までしてきたか、どのようなスキルを持っているかをしっかりと企業側に訴えかけていく姿勢が求められるのです。

企業の中には複業を推進している企業もあり、そういった会社に就職して社会人1年目から複業家として働きたいと考えている人も中にはいるのではないでしょうか。

次は社会人1年目から複業家として働くことについて、どのようなメリットやデメリットがあるのかを考えてみましょう。

最初から複業をするということ

社会人1年目から複業をするということは同時に複数の企業に就職するようなものです。同じような業務をおこなっている企業でも社風というのは1つ1つ違います。

特に大企業と10数人で業務をおこなっている小さな企業では働き方1つとっても大きく違うでしょう。

複業のメリット

1年目から複業をすることで複数の企業と関わり合いを持つことができると、色々な会社の社風を肌で感じる事ができます。すると広い視野で物事を見ることができるため、普通の社会人一年目とは全く異なった柔軟な物事の考え方が出来るようになるでしょう。

転職をせずに複数の会社の社風を経験できるのは、複業をしている人にとって大きなメリットになるといえるのではないでしょうか。

そして単純に異なった内容の仕事を経験することで1つの企業だけで仕事をするよりもたくさんのスキルや知識を獲得することができます。特に社会人1年目というのは吸収力がとてもある時期ですから、特にその効果は高いです。

1つの企業で働き続けていると、長い間自分の得意分野や本当にしたい仕事が見い出せないことが多いですが、複業をおこなって様々な企業での仕事を経験することによって、早い段階で自分の得意な仕事や本当にやりたい仕事に気づくことができます

自分の強みをしっかりと認識できている人は順調にキャリアアップを図ることができますし、企業に対して自分という人間を積極的にアピールすることも可能です。

自分の会社での仕事にある程度満足をしていても、ほかの企業がおこなっているプロジェクトがとても魅力的なものだったり、仕事に対する取り組み方に魅力を感じたりすることもあるのではないでしょうか。

従来の働き方をしていると興味のある企業を見つけてもただ見ているか、今の会社を辞めてその企業に転職するかの選択しかありませんでした。

しかし複業という働き方をしていれば、自分が勤めている会社を辞めなくても積極的に関わりあいを持つことができます。これは複業という働き方の大きなメリットといえるでしょう。

以上のように見ていくと、複業という働き方はとても魅力的に感じますが、一方では従来の働き方では経験しないようなデメリットもあります。

まず1年目から複業をするという考え方自体万人に認められるものではない、ということは頭に常に入れておいた方が良いでしょう。

複業する上でのデメリット

社会人1年目というのは右も左も分からない状態です。

1年目は本業を精一杯取り組み、社会人として基本的な事を学ぶようにするべきだ、という考え方をする人は多いですし、実際その考え方は間違いではありません。もしも自分が上司だった場合、入社1年目の部下がいきなり複業をはじめると言いだしたら心配になるのではないでしょうか。

そういった見方をしている人たちに対しては実際に仕事での成果を見せて複業をすることについて理解してもらうしかありません。1年目から複業をおこなうのであれば、周りからの否定的な意見をエネルギー源にし、実績を積んで納得させてやるというくらいの気持ちで続けなければなかなか成功しないのではないでしょうか。

複業をおこなう上で多くの人が心配になるのは仕事量です。単純に複数の企業の仕事を掛け持ちするので仕事量は1社だけで働くよりも増えます。副業を負担のない範囲でおこないたいのであれば自分が現在どれくらいの仕事を抱えているかをオープンにすることが必要不可欠です。

仕事量を開示していれば新しく仕事を与える側もできる範囲内でおこなえそうな仕事量に調整してくれるでしょう。

複業する上で注意しなければいけないこと

複業をするにあたっては複数の仕事を両立させるということを常に頭に入れておかなければいけません。1年目から複業をすることに対して否定的な意見がどうして多いのかというと、両立できずにどっちつかずになることを懸念しているからです。

社会人1年目というのは企業からの期待に出来るだけ応えたい、という気持ちが強いです。従来のように1つの企業だけで働いている場合は、とにかく目の前の与えられた仕事を一生懸命こなしていればその企業に貢献できていると実感できます。

ところが複業をおこなっていると、同時に複数の企業から仕事を請け負うことになります。しかし社会人1年目ではまだまだ自分がどれくらいの仕事をこなせるのかが把握できていません。結果的に処理しきれないほどの仕事を請け負ってしまい。両立できずにパンクするというリスクがないとは言い切れません。

また、先ほども少し触れましたが、複数の仕事を同時にこなすわけですから単純に仕事量が増えるため、休日やプライベートの時間を犠牲にする必要があります。

プライベートな時間を確保できないとストレスや疲労が溜まるので仕事にも大きく影響します。ですから自分でスケジュール管理をしっかり行えるかどうかが、社会人1年目からの複業を成功させるためのキーポイントとなります。

そこで自分の好きなことや、やりたいことをあえて複業に組み込んでしまうというのも1つの選択肢です。自分の好きなことや、やりたいことであればプライベートの時間を削られたとしてもそれほど苦にはならないでしょう。

むしろ自分の好きなことに深く関わって収入を得ることができるのでプライベートな時間の使い方としては充実しているのかもしれません。

社会人1年目というのは大きな可能性を秘めている時期で、これからの人生において大きな影響を与えます。ですからそんな社会人1年目に複業をおこなって様々な仕事を経験してスキルや知識をつけ、そして視野を広げることは今後の社会人としての人生において大きな糧となるでしょう。

まとめ

複業というのは収入を増やす副業とは異なり、何よりも人間的に大きく成長することができる働き方です。複業をすることによってスキルや知識だけではなく

普段では接点を持つことが出来ないような多くの人と関わり合いを持つことができるようにもなるでしょう。そういった人たちの中で特に共感を覚えるような人たちと深いかかわりを持てればより充実した人生を謳歌できます。

ただし複業という働き方自体に懸念を感じ、好意的な見方をしない人が多いのもまた事実です。

そういった人たちにも認めてもらい、複業を成功させるためにはしっかりとスケジュール管理をし、自分のキャパシティを超えない範囲で仕事をこなしていって実際に仕事で成果を出していく必要があります。

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