副業と複業
どちらも読みは「フクギョウ」でしかも似たような概念だと思われているため、両者の違いについてはっきりしない人は多いのではないでしょうか。というわけでここでは、その違いについてはっきりと説明していきましょう。それは、全然違うものなのですから。

具体的な世間の注目度としてそれぞれの検索数を比較してみましょう。

「副業」google Trends2010年1月~2018年5月検索数推移

「副業」という言葉での検索数は8年前に比べるとほぼ4倍もなっています。

「複業」google Trends2010年1月~2018年5月検索数推移

対して「複業」という言葉での検索については、8年前はほぼ検索されていなかった状態から働き方改革という言葉が出始めた2017年頃から徐々にあがりはじめ、2018年から急激に注目されています。このことからも、近年複業がどれだけフォーカスされているかがわかります。

副業は仕事、複業は生き方

まず初めに、副業とは何かについて考えましょう。
副業とは、何か主たる収入源つまり本業がありそのほかにも何らかの収入源がある時、そのプラスアルファの職業のことを言いますよね。たとえば自分には副業があります。のように、本業以外に持っている職業、仕事のことです。しかし複業とはそうではありません。

複業とは、二つ以上の職業を同時にいくつか持っているとき、そのどちらかを指して複業というのではなく、そういう風に複数の職業を持っている状態のことを言うのです。
つまりそれは、仕事そのものではなくライフスタイル、いわゆる生き方といってもいいでしょう。

副業があると複業なのか

これは違います。
というのも、副業というのは必ずそのほかに主たる収入源である本業がなくてはいけません。
しかし、複業を行っている場合、必ずしもどちらかが主たる収入源である本業として存在する必要はないのです。
なぜなら複業というのは、複数の仕事をどちらも副業ではない、もしくは本業であるととらえ、どちらが正でどちらが副という区別のない働き方だからです。

少し想像が難しいかもしれませんが、例えば収入の違う二つの職業を一度にこなしている人がいるとします。この場合、副業をしているという認識だと、収入の多い方が本業であり、それがたとえばシステムエンジニアであれば、彼は職業を問われた時システムエンジニアと答えるでしょう。

しかし、これが複業をやっているという認識の場合、彼の仕事における収入がどうあれ、たとえばシステムエンジニアという大きな収入の仕事があっても、彼の職業は「複業家」です。複業家にとって、収入の大きな仕事はベーシックインカム、つまり生活の最低保証でしかなく、本業という認識ではないのです。

副業は収入メリットの付加、複業は収入デメリットの回避

では副業を持つことと複業家であることはどう違うのか。
これは一概に言い切れるものではありませんが、一般的には、収入上のメリットを足すものか、デメリットを回避するものかに分かれるといわれます。

たとえば、副業とは、本業でもらえるお給料にプラスアルファの収入を加えるものです。
それはある意味収入というメリットを増やす目的であって、例えば本業がだめになってしまったときに副業が替わりをできるということではありません。しかも本業を失ったということは、その人の経歴にとって大きなマイナスとなります。

しかし複業は違います。複業家にとって、複数行っている仕事はどちらもある意味で本業です。
複業家が複数の仕事を持っているからと言って、必ずしも一つの仕事に専念するよりも収入が上がるとは言い切れません、時には一つに集中した方が上がることさえあります。しかし、どちらかの職業がだめになったとき、残された方の仕事に就いたまま、新しい仕事を探すことができます。しかもそれは大きなデメリットにはなりませんし、むしろ経験があるということは、複業家にとってメリットにさえなるのです。

副業はこっそり、複業はしっかり

また、副業と複業の大きな違いとして、前者はこっそりとやるのが普通だということもあります。副業をしている人にとって、何よりも大切なことは、それが本業にとって悪影響にならないということです。ですから当然、もちろん会社の服務規定もそうですが、副業をする人にとって副業があるということは大っぴらに公表できることではありません。実際にそれが本業を圧迫していなくても、それが本業の妨げになっていると“思われる”だけマイナスになるからです。

しかし複業は違います。
もちろん会社で禁じられている場合は違いますが、そうでない場合は、むしろ複数仕事があることはメリットです。複業家にとって、様々な仕事をやっているもしくは経験しているということは、経歴上誇ることでありむしろ宣伝していくべきことです。しかも複業家にとって何より大切なものは、人と人とのつながりですから、隠していては話になりません。

さらに、複業家にとっては、本業というものが存在しない以上、会社組織のブランド名を使って仕事ができないわけですから、その経験とネットワークこそが看板。しっかりと、自分が複数の職業を同時にやっている複業家であることを周知する必要があるのです。

副業は財布を太らせ、複業は人間を育てる

何度も書いているように、副業とは収入の足しにするためのものです。
本業の収入に、プラスアルファの収入を与えて、家計の足しにしたり貯金を殖やしたり、つまりは純粋に財布の中身を増やすための行為です。

しかし複業にとって、収入が増えるというのはあくまで付加価値であり、その本当の目的は人間的成長のためです。複業において一番大切なものは、経験なのです。たとえば、普段経理の仕事をしていた人が、それに加えて営業の仕事をすることで複業家になったとしましょう。
すると、その人は、これまで経理で培っていた経験をもとに、より効率的で能率的な営業活動をこなすことができる可能性を秘めています。

と同時に、営業によって手に入れた経験をもとに、経理として営業しやすい予算の組み方を考え付くかもしれません。少なくとも営業をする人間としての視点で、経理の仕事をすることはかなりのプラスになることは間違いないことですよね。

このように、複業家にとって複数の仕事をするということは、その経験を増やし人間としての成長につながります。これは、収入のためだけに副業をやっていても身につかないものでしょう。そこにあるのは、どちらも本業であることで生まれる、シナジー効果なのです。

副業は楽をするため、複業は楽しむため

副業は、さらに仕事を増やすことによって生活を楽にするために行うことです。そこに楽しさや人間としての喜びというものを求める目的はなく、ただ、経済的に楽に生きるための足しとしての存在でしかありません。
しかし、これはもちろん人によりますが、複業家の中には人生を楽しむために複業をやっている人は実は多いのです。たとえば、それまでやりたかったものの挑戦できずにいた職種に挑戦するというのもあるでしょう。

ほかにも、NGOやNPO,ボランティア団体といった種乳の全くない活動に積極的に加わって自分の理想や夢をかなえるという人もいます。複業は収入を主な目的にしているのではないのですから、これでも立派な複業家です。文章を書くのが好きな人がライターをやったり、絵を描くことでお金を得たい人がイラストレーターをやったり、ほかには芸能人の人がファッションに興味を持ちデザイナーやファッションブランドを立ち上げるのもそうです。

ひとつの職業に縛られるのではなく、多くの職業をその選択肢として、自分の自己実現のために働く。複業家の働き方には、そんな、人生をいかに彩りよく楽しむのか、に特化したものもあるのです。

副業とは収入のためにより一層働くということ

つまり、副業とはある意味収入のためだけにより多く働くということにほかなりません。
副業をしているせいで、本業に身が入らずまた残業時間が減って残業手当をもらい損ね、結果収入が減ってしまっては副業をやる意味がありません。そこに楽しさや喜びがあったとしても、それは副業をやっているうえで何の足しにもならないのです。

また、当然副業の場合本業というものをしっかりと確保しなければいけません。本業をだめにしてまで副業をやることはできませんし、本業をやめて副業一本に絞るなどもってのほかです、また本業がだめになれば、それで終わりです。
あくまで本業ありきの副たる収入源それが副業なのですから。

複業とは自分のためにより自由に働くということ

対して複業とは、収入のためだけではなく自分自身、それは経験であったり喜びであったり自己実現であったり、そういった自分自身のために働くということです。とはいえ、そこに収入をのみ目的にする人がいてもいいのです。複業家であることで、収入がぐんと伸びるという計算の元複業家として働くのも当然一つの形としてありなのですから、間違ってはいません。

つまり、それは、自分のためという幅の広い自由な目的のために自由に働くということです。これまでの旧態依然とした「職業」という概念から脱して、よりよく自分の人生を生きるために様々な仕事を選択して同時にこなしていく。そうして自分の人生を自分自身で設計し、プランを立てて生きていく生き方。

そんな生き方こそが複業といわれる物なのです。

まとめ

これだけを見ると、複業という生き方に魅力を感じるかもしれませんが、まだまだ日本という国において複業という生き方を実践するのは困難です。

しかし、だからと言って複業家として生きる人間が増えなければ、社会はそのまま停滞します。いまだ旧態依然とした働き方が単一の価値観として認識される日本において、そんな働き方の価値観を変えるべくセルフプロデュースして生きていく生き方。ある意味複業家とはこの日本の働き方を変える革命家なのかもしれませんね。


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