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ダイバーシティって何だ?日本はダイバーシティ後進国ではない。

昨年、衆院選挙などで盛んに聞かれたダイバーシティという言葉。中には、聞き流していた人も、なんとなく新しい考え方なんだろうなと思っていた人も、その時は調べたけど今となっては意味を忘れた人もいるでしょう。

もちろんきちんと意味をとらえている人もいるとは思いますが、あまり定着している言葉とは言えません。

しかも、定着はしていないのに、なんとなく日本はダイバーシティ後進国のように思っている人が多いのも、この言葉の不思議なところ。しかし本当に日本はそうなのか?新しい働き方にもしっかりとかかわってくるこのダイバーシティについて考えていきます。

ダイバーシティとは多様性

先ずその言葉の意味ですが、ダイバーシティとは多様性のことです。

もともとは自然界に適用される言葉で、一つの生態系の中に様々な動物が存在しているような、生物の多様性などという時に使われていました。そこから転じて、社会の中での多様性という言葉になってきたのです。

そして、それは社会がどんどんと複雑になり、様々な考え方や、少数者の権利確保の中で、一つの理想としてダイバーシティを許容する社会という理想像ができ上ったのです。

日本はダイバーシティ後進国なのか

さて、ダイバーシティとは多様性であり、それを許容する社会が理想とされているということはわかりました。

そう考えると、日本がダイバーシティ後進国というのは、日本が多様性を許容しない社会であるということになるのですが、果たしてそうでしょうか。一見、そうであるように思えますが、突き詰めて考えると、違った側面が見えてくるのです。

間違っている日本のダイバーシティ観

この言葉を頻繁に使う小池百合子都知事は、このダイバーシティを女性が活躍できるという意味でよく使います。

確かに、戦後の日本は男性中心社会であり、これまでに本意女性の総理大臣がいないという側面から考えても、女性の活躍推進はダイバーシティ推進の様に一見見えます。

ほかにもLGBTや外国人といった人たちに対しても、その多様性を認めるという点で日本は劣っているという感覚を持って率人は多いでしょう。しかし、本当にそうと言い切れるでしょうか。

女性蔑視の時代はとっくに終わっている

まず一つ目として、日本は女性を認めない社会なのか、という点です。これは先ほども言いましたが、戦後日本はずっと女性を認めない社会でありましたし、今もってまだそんな社会ができ上っているとは言えないでしょう。

しかし、それは、出来上がっていないのであって出来上がる土壌ができていないのではありません。いまや、女性の社会進出などは口に出してそれを推進するのもはばかられるほど当たり前のことになりましたし、そもそも機会の平等はとっくの昔に完成しています。

確かに、議員数の女性割合は低いのですが、別に立候補できないわけでも投票できないわけでもないのです。

LGBTにとって日本はどういう国か

ではLGBTなどのセクシャルマイノリティの人にとって日本はどういった国でしょうか。

これに関しても、もはや日本はそういった人たちに対してかなり寛容で、しかもそういった人たちにとってはアジアで有数の暮らしやすい国といってもいいでしょう。

それをもって、多様性というのはどうかとも思いますが、テレビにこれほどセクシャルマイノリティの人が当たり前のように出ている国は、日本以外には存在ません。

私たちはもはや、セクシャルマイノリティの人を全く見ずに一日をテレビを見て過ごすことができないほど、当たり前にそれを許容しているはずです。

宗教にとっては日本ほどいい国はない

ダイバーシティという問題の中で、世界ではよく宗教がその矛先に上がります。特に単一宗教を国教化しているような国や、単一民族が社会の中心にあるような国においては、この宗教の多様性というのは大きな問題です。

しかし、日本においては、それは問題にすらならないほどダイバーシティの進んだ社会といえます。よほど危険なテロ指定を受けているような宗教でない限り、日本において宗教をもとに差別されたり迫害を受けるようなことはありません。

それこそ、どんな宗教に身を置いているのかを気にされることすら稀です。古来より日本は、他国の宗教に甘く(一時期のキリスト教迫害はあったものの)むしろそれを取り入れることによって、他国に類を見ない宗教の多様性を獲得してきました。そもそも、八百万も神様のいる国で、宗教の多様性など当たり前のことなのです。

むしろ日本はダイバーシティ先進国である

こう考えると、むしろ日本はダイバーシティ先進国です。平成に入り21世紀を迎えて、もはや日本においての性別による差別はほとんど存在しないどころか逆差別すら問題になっています。

LGBTの人も、まだ偏見はあっても、身を隠していなければいけない国ではなくなりつつあります。

宗教に至っては日本ほどダイバーシティの進んでいる国はそうそうありませんし、人種や国籍についても、特定のそれを強く差別することは、他国に比べて稀です。こう考えれば、日本がダイバーシティ後進国など、あり得ない話ではないですか。

しかし、そうではないという人は必ずいる

ところが、こういうことを言ってしまうと、必ずそれに反論する人は出てきます。

しかも、私がここまででいったことを全否定し、むしろどの分野においても日本は遅れていて、後進国と呼ぶにふさわしいとおっしゃる人もきっといます。

では、私とそういう人たちとどっちが正しいのでしょうか。と、ここからが実は、ダイバーシティというものの本質になるのです。

どっちも許容する、それがダイバーシティ

前提として、差別や偏見は許容してはいけません。しかし、そういったものの対策の度合いについて、十分であるかいなかという問題、もしくは現時点で進んでいるか遅れているかという考え方に関してはそうではありません。

なぜなら、こういった多様な価値観を許容し拒絶しない事こそ、ダイナバーシティの許容だからです。もちろん、様々な分野でのマイノリティはその権利が保障されてしかるべきですが、根本でそれが十分なされていれば、あとはその度合いに関しては、自由なのです。

少数優遇がダイバーシティではない

たとえば、もしLGBTへの古い感覚がなくなったらマツコ・デラックスはテレビ界の寵児となっていたでしょうか。

もし、女性はかわいいものが好きで、女性はショッピングが好きで、女性は甘いものが好きだという常識がなくなり、社会がそこを男女平等の敵としたら、本当に困るのは女性ではないでしょうか?

そう、じつは、それもまたダイバーシティの中で許容されるべきことなのです。もしそこで、いかなる反論も許さず、少数派の在り様に固定的な価値しか認めないように強制してしまえば、まさにそれこそダイバーシティの崩壊を意味します。

男女平等であろうと、男性と女性には違いがあります。メンズデーよりレディースデーの方が多くても、それもまた多様性ですし、女性下着メーカーの社員が女性ばかりでもいいのです、もちろん男性がいてもいいのです。ダイバーシティとは多様性でありそれを許容する社会が求められている以上、それが普通なのです。

働き方にもダイバーシティを

さてダイバーシティについての理解が深まったところで、働き方のダイバーシティについて触れていきましょう。
そう、新しい働き方が求められている今、このダイバーシティに対する正しい認識こそが大事になってくるのです。

働き方のダイバーシティ 何かを抑制してはいけない

働き方の多様性を、というと、やはりこれも同じように新しい働き方の推進と言い出してしまいがちです。もちろん。日本においては新しい働き方というものが、それまでの社会において迫害されていましたからそれは間違ってはいません。

しかし、同時にそれは、旧来の働き方を抑制するものでも非難するものでもあってはいけないのです。ここまで書いてきたようにダイバーシティとは、少数の優遇ではありません。

そしてそれは同時に、多数派やこれまでの常識の否定、もしくはそういった価値観を信奉する人の排除であってはならないのです。

働き方のダイバーシティ 価値観を個人が持つ

ダイバーシティにおいて、もっとも重要なことは他人の価値観を否定しないこと。
それが、法律や社会規範に大きくはずれるものでない限り、個人の価値観や考え方というものを許容してこそ、ダイバーシティ先進国の在り方です。

ですから、働き方もそうでなくてはいけません。リモートワークであろうとノマドワークであろうと、そしてパラレルワークであろうと、その価値は許容されなくてはいけません。

同時に、正社員として働くこともまた、許容され尊重されるべきなのです。そんな許容された多種多様な価値観の中で、自分個人がどういった価値観を持ちそれを選択していくのか、もしくはそれが自由にできる社会であるのか。

そういった個人が価値観を持ち、そして、価値観が集合体として存在することこそまさにダイバーシティなのです。

自由というのは自然と多様性を呼ぶ

そうつまり、そこにあるのは自由です。正社員だろうとノマドワーカーであろうと、どちらも等しく選択できる。

の価値観も、どの生き方も、社会的にどうなのかなど関係なく、かけがえのないたった一人の自分にとって価値があるのかないのかで選択できる。それこそがまさにダイバーシティを許容する社会です。

多様な価値観のある社会とは、様々な価値観を持つ個人の集合体。新しい働き方という選択肢が増え、それを選択できるという状況は、まさにダイバーシティが成熟している証だといえるのです。

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