様々な問題点をはらみながらも、それでも進められていく働き方改革。
その改革内容の良しあしは別としても、少なくとも、これまでのような本業一本の働き方というのが、主流ではなく選択肢の一つに変わりつつある現実は変わりません。
それはネット環境の発達とともに、もしかすると働き化改革がなくてもたどり着いたかもしれない時代。
そのネット共に変化し続けてきた副業環境の歴史と、これからの副業の最前線を担っていくであろう副業の形を見ていきながら、副業時代を生きる労働者の現状について考えていきたい。
ネット副業黎明期 個人という名のチャレンジャーの時代
副業という物が、ネットと出会った時代。
それまで副業といえば、いわば内職のようなものから投資といったものまで種類は豊富にありましたが、どちらかというと隠れて行うか、特別な知識の下に行われるものが大半でした。
しかし、ネット環境が発達するとともにその様相は激変。
副業は、ネットを使った情報収集をもとに自力で財を生み出すものへと変わっていったのです。
株式投資やFX
ネット副業として今なお高い人気があり、黎明期に一大ブームになったのがこれ。
IT企業の新興社長たちが世間を騒がせ始めていた2000年台初頭の雰囲気もあって、ネットを使った副業が何かギャンブル的なよくないイメージを持たれるきっかけにもなりました。
このころ、盛んにネットで稼ぐ人を虚業と評して批判する人が多かったのを覚えている人も多いでしょう。
一方若者の間でデイトレーダーという言葉がある種憧れをもってもてはやされてきたのもこの時代で、ネットを使った副業において情報の大切さが言われ始めるきっかけともなってきていました。
せどり
そんなネットを使った情報収集の形として如実に成果を分ける仕事となっていたのがこのせどり。
要は、古物の転売業になるのですが、この古物転売の「せどり」が盛んになった背景にあるのがヤフーオークションなどのオークションサイトの誕生と隆盛でした。
というのも、それまでは、古物の転売というのは狭い範囲内でのやり取りに限定されていたのです。
ところが全国、いや全世界からだれもが自由に参加できるオークションサイトの登場で、転売相手が日本全国から世界にまでその幅が広がっていきました。
これにより、大都市圏では容易に手に入る古物が、地方の個人にまで販売できるシステムが確立。
需要と供給のバランスまでもネットで情報収集することで、一つのビジネスとして成り立っていったのです。
アフィリエイト
そして登場してきたのがアフィリエイトブログです。
つまり、これまで情報源として利用してきたネット環境に情報源そのものとして参加し、そこで儲けを得ようという新しい形ができてきたということです。
これはある意味、マスコミに専売されていた情報産業への個人の参入。
個人が発信する情報に付加価値を付けて、そこに表示される企業広告の広告収入を得て収入とするその形は、まさにマスコミと同じ手法。
しかも、一度設置した情報は常に財を生み出す資産型の副業としても魅力的でした。
今も盛んにおこなわれているものですが、やはり当時これが出始めたころのインパクトはある意味歴史の転換点といえるほどの衝撃だったといえますね。
一部の成功者と多数のお小遣い稼ぎ……「一獲千金型」の時代
このころのネット副業の形は、どちらかといえば一部の情報に強い人たちの物でした。
それはまさに「ネット」副業という言葉にふさわしく、ネットという物に対してしっかりとした認識と知識を持っていて、それを自由に使いこなせる人たちだけの聖域のような雰囲気さえあったのです。
そして、その特徴はどちらかといえば一攫千金に近いものでした。
投資に関しても、これまでのように資産として所持しておくのではなく、情報を頼りに次から次に利益確定をしていくゲーム性のようなものがありましたし、安定した収益のもたらされるものではなかったはずです。
それは、投資ほどではないにしろせどりやアフィリエイトも同じこと。
情報をもってうまく転売を加算べたり、一部の有名ブロガーのような形にならない限りはそれほどお金を安定的に稼ぐことはできない業態ではあったのです。
これにより、一部の成功者と大多数のお小遣い稼ぎといった形が生まれました。
一部の人間の聖域にチャレンジしていった時代
確かにそれは、安定した副業といわれるものではなかったかもしれません。
しかし、この時代に果敢にネット副業にチャレンジしていった人たちの功績は、現代にまで続く大きなものであったといってもいいはずです。
では、その功績とは何か、そうそれレは「一部の人間にのみ許された聖域の打破」でした。
それまでは、株などの投資にしろ古物の転売にしろ、そして情報産業にしろ、それは投資家や古物商、そしてマスコミなどの一部の人間が独占する場所でした。
しかし、このころのネット副業の数々は、それらを打破していったのです。
これによって人々は、ネットという場所に、これまでの常識にとらわれない新しくて自由ななにかがあると感じるようになったのは言うまでもありませんし、そう感じた人も多かったはずです。
それは才能の自由化と言えた
これまで、副業というのは誰かが作った枠に自分をはめ込むことで成立していました。
しかし、この当時生まれてきた様々なネット副業はその枠を壊し、自由なフィールドで自分の才能や能力でお金を稼ぐという方法を提示してきたのです。
これによりネットは自分の才能一本で勝負できる場所となっていきました。
それは言い換えれば企業や会社といった作られた枠の中から、きめられた形で利益を出していくのではなく、数多くの一匹狼がそれぞれの才覚で利益を生み出していたといえるのです。
ネット副業が社会に嫌われたのも、こういう既存のシステムを破壊する側面があったからと言えます。
同時に、一部の成功者以外は、それこそ本当にお小遣い稼ぎ程度の儲けしか生み出せなかった側面もあります。しかし、時代を確実に動かした、そんな動きであったことは確かなのです。
パラレル
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