パラレルワークという物を知って、さて自分もパラレルワーカーになろうと思っている人は少なくないと思います。しかし、いざパラレルワーカーとして生きていこうと思っても、二つ目の職業に何を選択すればいいのかはかなり悩むところではないでしょうか。
しかも、まだまだ副業解禁企業が少ない中ですから、取りあえず何でもというわけにもいかないのが現状ですよね。そこで今回は、ねらい目となる職種をご紹介、それは「起業したての会社」です。
なぜ起業したてがいいのか
ではまず、なぜ起業したての会社がいいのか、それを見ていきましょう。
圧倒的人手不足
先ずはこれが一番の理由ですね。起業したての会社にとって深刻に不足しているのは、スキルを持った人間という意味での人材というよりもむしろ、単純な労働力としての人手そのものなのです。
現在、ITの発達によって、物事の進むスピードというのは格段に速くなっています。
そんな社会の中で、起業したての会社と言えども、その成長スピードはこれまでのベンチャーとは比べ物にならないほど早く、一気にたくさんの仕事にチャレンジすることもできます。
しかし、どれほど企業のプロジェクトが早くなり成長にスピード感がでても、そこに人手は不可欠です。
現在多くの起業したての会社が、成長戦略の中において、その成長のスピードと人材確保の困難さの間で折り合いがつかず、泣く泣く成長を鈍化させている状態なのです。
証拠に中小企業基盤整備機構のベンチャー企業の人材確保に関する調査によると、人材不足の企業割合は、創業期とIPO(新規上場)期で、20ポイントも創業期の方が人手不足と考えている企業が多くなっているのです。ここを狙わない手はないですよね。
とはいえ当然人材も不足している
では人材、つまりスキルを持った労働力は不足していないかというと、当然そんなことはありません。
基本的に起業したての企業には、起業に至るビジネスのアイデアと、起業を計画した人たちの高いスキルがあるように思われています。
もちろんそれは間違いではないのですが、その高いスキルは、ある意味非常に偏ったスキルであることが多いのです。例えば、特定の資格をもった人によって起業された会社には、当然その分野に対して知識と経験を持った起業家本人はいても、経理のプロや営業のプロ、SEなどは存在しないことが多いのです。
下手をすると、ろくに電話応対もできないなどということも、珍しくはありません。
もちろんそこまで準備の足りない物はそんなにはありませんが、少なくとも、会社経営における様々な仕事の全てにおいて、そつなくこなせるスキルを持った人材を確保しているなどということは、ほぼありません。
一般に今の社会で必要とされがちなIT系スキルだけでなく、様々なスキル不足が想定されるというのも、パラレルワーカ―として働こうと考えている場合、ありがたいことだといえるのです。
フルタイム雇用がそもそもできない
現在の社会において、フルタイム雇用の会社をかけ持ってパラレルワーカーになることは、ほぼ不可能です。となれば、ベーシックインカムとして保持しておく、旧来の言い方でいえば本業となる仕事の以外の仕事は、正社員というよりも契約社員やパートタイマーが主流になってくるでしょう。
しかし、一般の企業においては、その様な働き方で任せられるのは、いわゆる単純労働が主となります。ところが起業したての企業においては、そうではありません。とくに、ドライブがかかったばかりのベンチャー企業においては、創業期は人手とともに資金も不足しがちですから、フルタイム雇用の人件費をたくさん出せはしません。
とはいえ、人手も人材も、必要。と、なれば、ある程度自由度の高い勤務形態で臨時ヘルプ気味の雇用をしてくれることも多いのです。基本的に、いまの時代背景においてパラレルワーカーの一番の課題は、かけ持つ会社の労働時間をいかにシェアしていくのかということですから、個の自由度は非常にありがたくなります。
しかも、ある程度軌道に乗ってきたときには、会社の中心的なメンバーとして正社員となる可能性も出てきます。そうなれば、時間に自由と融通の利く正社員の掛け持ちという、ある意味理想的なパラレルワーカーとなることも夢ではないのです。
どのようなスキルが求められているのか?
ではここからはどのようなスキルを求められているのか見ていきましょう
マーケティングスキル
かつてマーケティングといえば、ブランド知名度やイメージの向上や経営効率の資産が主な仕事でした。しかし、IT系の技術の向上とネット社会の充実により、いわゆるデジタルシフトを果たした現在の社会においては、マーケティングという仕事そのものの概念と重要度が大きく変化しています。
というのも、デジタルシフトのもたらした情報の速度の向上が、マーケティングの即応性を必要としているからです。そしてそれは、まさに経営の中枢であり、顧客体験の追従という重要な役割を振られることによって、ある意味企業全体の方向性まで左右する案件となっています。
ですので、そんなマーケティングスキルを有している人材は、どこも大幅に不足気味です。メディア運用、SEO、SNS広告、などは経験とスキルの諜報を兼ね備えていないと対応は難しく、パーソナライズされた顧客体験を個別デバイスで確保しておく技術はかなり価値の高いスキルになります。ですので、バーシックインカムとしての企業においてそのような経験がある人間というのは、かなり待遇よく雇ってもらえることが多いのです。
エンジニア
SEやWEBシステム開発者などのエンジニアが不必要な会社は、もはやない。そういっても過言ではないくらいに、起業したての会社はもちろん、さんざ真名会社でその需要は膨れ上がっているといっても過言ではありません。
とくに、起業したての会社においては、初期のエンジニアの質によってそれからの会社運営の質そのものが変わるといっていいほど、大きな役割を占めています。というのもいくらアイデアや資格があろうとも、エンジニアなしでは仕事は動いていかないことが多いからです。だからといって、外注や委託をしてしまえば、これは、起業したての会社にとっては深刻なダメージといっていいほどの出費がかさみます。
ですのでエンジニアは、その就職待遇も抜群で、現実に週10日勤務月給30万円などという、破格の待遇がエンジニアの求人には数多くみられるのです。もし、自分にエンジニアのスキルがあるというならば、もはや迷う余地のないほどに、最適な職場が見つかるはずです。
営業スキル
ある意味全ての起業や業態に必ず必要といっていい営業。特に起業したての会社などでは、営業の人材というのは圧倒的に不足する傾向にあるのです。というのもIT系のベンチャーであれば、技術職のスキルを持った人などは豊富にいても、技術職と営業職の隔たりは大きく、セールスがうまくいかないということが多いのです。
また、士業関係の有資格者が起こした会社は、今度は事務系が中心になり営業職が足りません。そして営業畑で、営業職の仕事の経験とスキルを積んだ人間が起業するというのは、あまりよくある話ではないのは言うまでもないことです。営業は商売には欠かせませんが、営業は商売にはならないからですね。しかも営業職がもてはやされるのにはもう一つ理由があり、それは、営業職として培ってきた、ネットワーク、いわゆるコネクションが存在するからです。
起業したての会社にとって、この顔の広さは大きなバリューです。
会社経営にとって、人脈というのは資金と人材の次に大切だといっても過言ではなく、大きなコミュニティーを形成すればするほど、会社の発展につながっていきます。そういった、コネクション込みの価値として雇用されれば、その待遇もかなり良くなるのは言うまでもありません。
もっているスキルの有効活用
今回、パラレルワーカーとしてねらい目の職業を書いてきましたが、もちろんねらい目はそれだけではありません。むしろ、今や社会全体が人材不足におちいっているため、仕事を選ばなければどんな職種であってもパラレルワーカーとして生きていくことはできるでしょう。
しかし、それではせっかくパラレルワーカーとして新しい人生を生きていくと決めた決意に見合いません。できる事なら、あなたの持っているスキルや経験というのを最大限に評価してくれる企業で、あなたのそのスキルと経験を存分に発揮できる仕事をするべきです。パラレルワークというのはお小遣い稼ぎの副業とは違います。パラレルワークというのは、そうすることで、より今よりも良い人生、もしくは社会に必要とされる人材として活躍するために選択する生き方です。
だとすれば、起業したての会社の不足を補い、ともに小さな会社を大きくしていくことに寄与するというのは、なかなかに充実した働き方のように思えませんか?その結果、新しい会社が、これまでベーシックインカムとして働いてきた会社の規模を超えるようなことを夢見て、もしそれが実現するようなことがあれば。パラレルワーカーとして、それ以上に痛快な出来事はないのではないか、そんな風に思えるのです。
パラレルワーカー
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