働き方改革

プロ人材とは?魅力ある企業でプロ人材として活躍しよう

「プロ人材(=プロフェッショナル人材)」について知りたい方のための記事です。
プロ人材という言葉を頻繁に聞くようになりましたが、その意味や詳細についてはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「プロ人材の定義ってあるの?」といった素朴な疑問から、プロ人材の採用事例や、プロ人材になる方法、なった後の情報などを網羅して紹介します。「自分もプロ人材として働きたい!」という方は必見です!

プロ人材とは?定義やなぜ求められているのか

プロ人材と聞くと、何となく「能力の高い人が活躍している」というイメージがありますが、具体的にはどのような人材を指すのでしょうか?まずは、プロ人材の人物像や、なぜ求められているのかについて見ていきましょう。

スペシャリスト・専門家とは異なる

政府の「プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト」では、プロ人材を次のような人物像であるとしています。

「プロフェッショナル人材とは、地域企業の経営者の右腕として、新たな商品・サービスの開発、その販売の開拓や、個々のサービスの生産性向上などの取組を通じて、企業の成長戦略を具現化していく人材です。」
(引用:プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト

また、プロ人材の貢献領域として、以下のようなものが想定されています。

・ 新規事業の立ち上げなど、新たな分野や販路を開拓できる人材
・ 経営者の右腕となれる人材や、後継者のサポートができる人材
・ 生産・開発などの現場で新たな価値を生み出せる人材

このように、プロ人材とは、地域企業の「攻めの経営」を後押しできる優秀な人材のことであり、専門的な知識を有するスペシャリストや専門家とは異なることが分かります。

プロ人材を求める企業が増えているのはなぜか?

経済産業省が公開している「2017年版中小企業白書」によると、大企業の従業者数は、従業者全体の0.3%であり、残りの99.7%は中小企業の従業者です。

しかし現状では、優秀な人ほど都市部の大企業に集中する傾向にあり、過疎化が進む地方の中小企業では人手不足感が強まっています。地方の企業が発展し、地域経済の活性化へ繋げるためには、新規事業の開拓や社内改革といった「攻めの経営」が望まれますが、これらの実現には優秀なプロ人材の確保が必要です。

そこで地方の企業では、都市部からのUIJターン(※)による優秀なプロ人材を求めているのです。今後は地方創生のためにも、UIJターンによるプロ人材のマッチングが増えていくと考えられます。(※)UIJターンとは次のような意味です。

・Uターン:出身地に戻ること
・Jターン:出身地の近くの地方都市に移住すること
・Iターン:出身地以外の地方へ移住すること
(参考サイト:2017年度版中小企業白書

プロ人材の育成に関する国・地域の戦略や拠点のサービス内容

内閣府は、プロフェッショナル人材事業として「プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト」を立ち上げています。その具体的な内容を見ていきましょう。

プロ人材戦略拠点

政府は、東京以外のすべての道府県にプロ人材戦略拠点を立ち上げています。

その目的は、これまで述べてきたように地方の企業と都市部のプロ人材との橋渡しです。プロ人材の半分以上は、都市部の大企業に勤めていた人です。

都市部に勤めながら、「仕事があれば地方に戻りたい、または移住したい」と考えているプロ人材の方は多くいますが、これまでは、地方の企業情報が少な過ぎて分からないという問題がありました。

つまり、都市部と地方におけるプロ人材のマッチングは、地方の企業にとっても、地方で働きたいプロ人材の方にとっても、双方にメリットがあるといえます。

尚、中小企業は、プロ人材確保のための費用の一部を、補助金として助成してもらうことが可能です。以下に、各道府県のプロ人材戦略拠点をまとめました。

プロ人材戦略拠点一覧表>

道府県拠点URL
北海道北海道プロ人材センターhttps://pro-jinzai-hokkaido.jp/
青森県青森県プロ人材戦略拠点http://aopro.jp/
岩手県岩手県プロ人材戦略拠点http://www.joho-iwate.or.jp/professional/index.html
宮城県宮城県プロ人材戦略拠点http://miyagi-projinzai.jp/
秋田県秋田県プロ人材戦略拠点http://www.bic-akita.or.jp/support/48.html
山形県山形県プロ人材戦略拠点http://pro-yamagata.com/
福島県福島県プロ人材戦略拠点http://www.utsukushima.net/professional.html
茨城県茨城健プロ人材戦略拠点http://www.iis-net.or.jp/page?kind=professional_jinzai
栃木県栃木県プロ人材戦略拠点http://tochigi-pro.com/
群馬県群馬県プロ人材戦略拠点http://www.g-inf.or.jp/professional/index.html
埼玉県埼玉県プロ人材戦略拠点http://www.saitama-j.or.jp/kikaku/projinzai/kyoten/
千葉県千葉県プロ人材戦略拠点http://www.ccjc-net.or.jp/category_list.php?frmCd=39-0-0-0-0
神奈川県神奈川県プロ人材活用センターhttp://www.kipc.or.jp/professional-talent/
新潟県新潟県プロ人材戦略拠点https://www.nico.or.jp/projinzai/
富山県富山県プロ人材戦略拠点https://www.tonio.or.jp/soshiki/professional/
石川県石川県プロ人材戦略拠点http://ishikawa-ilac.jp/company/index.html
福井県ふくいプロ人材戦略拠点http://www.fklab.fukui.fukui.jp/kougi/fukui-pro/
山梨県山梨県プロ人材戦略拠点https://www.yiso.or.jp/advisement/professional.html
長野県長野県プロ人材戦略拠点http://nagano-pro.com/
岐阜県岐阜県プロ人材戦略拠点https://www.jinzai-gifu.jp/prof_jinzai
静岡県静岡県プロ人材戦略拠点https://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-220/prokyoten.html
愛知県愛知県プロ人材戦略拠点http://www.aibsc.jp/tabid/505/Default.aspx
三重県三重県プロ人材戦略拠点http://www.miesc.or.jp/projinzai/
滋賀県滋賀県プロ人材戦略拠点http://www.pref.shiga.lg.jp/f/shokokanko/shigapro/index.html
京都府京都府プロ人材戦略拠点https://www.jigyo-keizoku.jp/
大阪府大阪府プロ人材戦略拠点http://www.projinzai.osaka.jp/
兵庫県兵庫県プロ人材戦略拠点http://projinzai-hyogo.jp/
奈良県奈良県プロ人材戦略拠点http://www.pref.nara.jp/42323.htm
和歌山県和歌山県プロ人材戦略拠点http://www.yarukiouendan.jp/professional/index.html
鳥取県とっとりプロ人材戦略拠点http://tori-pro.jp/
島根県島根県プロ人材戦略拠点http://www.joho-shimane.or.jp/purpose/human/236
岡山県岡山県プロ人材戦略拠点http://www.optic.or.jp/division_detail/index/14.html
広島県広島県プロ人材戦略拠点https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/pro-kyoten/
山口県山口県プロ人材戦略拠点http://www.joby.jp/
徳島県徳島県プロ人材戦略拠点https://www.our-think.or.jp/?p=292986
香川県香川県プロ人材戦略拠点http://www.kagawa-isf.jp/jinzai/
愛媛県愛媛県プロ人材戦略拠点http://ehime-projinzai.jp/
高知県高知県プロ人材戦略拠点
(高知県事業継承・人材確保センター)
https://syoukei-jinzai.jp/kochi-kyujinnet/
福岡県福岡県プロ人材センターhttp://www.projinzai-fukuoka.jp/index.html
佐賀県佐賀県プロ人材戦略拠点https://www.saga-projinzai.com/
長崎県長崎県プロ人材戦略拠点http://prona.nagasaki.jp/
熊本県熊本県プロ人材戦略拠点http://096prob.com/
大分県大分県プロ人材活用センターhttp://enisie-oita.net/
宮崎県宮崎県プロ人材戦略拠点http://www.pro-miyazaki.jp/
鹿児島県鹿児島県プロ人材戦略拠点http://www.kagopro.jp/

プロ人材の拠点を利用した採用・実績

ここで、プロ人材戦略拠点を利用した採用実績を見てみましょう。

大阪府のプロ人材採用・実績

大阪府では、平成28年1月にプロ人材戦略拠点を設置しました。これまでに多数の企業でプロ人材の採用実績を上げています。

<大阪府のプロ人材採用実績>

・成約件数:204件(平成30年5月分まで)
・登録人材紹介会社:34社
・業種:製造業、建設業、卸売業・小売業、サービス業、情報通信業、運輸業など
・プロ人材の年代:30~60代

また、拠点はどのような仕組みでプロ人材の採用に至るのか、一連の流れについても簡単に見てみましょう。

プロ人材採用までの一連の流れ

① プロ人材戦略拠点が中小企業経営者にヒアリング
② 企業の求めるプロ人材を明確にし、人材ビジネス事業者に紹介
③ 人材ビジネス事業者から企業へプロ人材の候補者を紹介
④ 選考・面接・内定

このように、プロ人材戦略拠点に登録している人材ビジネス事業者が、プロ人材を紹介するという流れになります。

神奈川県のプロ人材活用センター

神奈川県のプロ人材活用センターでは、県内中小企業とプロ人材とのマッチング交流会も開催されています。マッチングの成功事例を聞いたり、面談形式で具体的に話をしたりする交流会です。

他県のプロ人材戦略拠点でも、こうした交流会やシンポジウムなどのイベントは増えています。

プロ人材の大企業連携の事例

プロ人材戦略拠点では、2016年9月より、都市部の大企業との連携を導入しました。

大企業と連携した人材交流の実施

都市部の大企業との連携とは、大企業のプロ人材が、地方の企業へ出向や研修という形で人材交流する仕組みです。地方でプロ人材を求める声が高まっているため、新たな対応策として始まりました。この仕組みでは、プロ人材は転職せずに地方の企業で活躍することが可能です。

2017年1月時点では、旭硝子㈱、アサヒグループホールディングス㈱、味の素㈱、全日本空輸㈱など、12社が参加しています。

プロ人材の活用は当たり前になってきている

こうして見ると、プロ人材の活用はもはや珍しいことではなく、当たり前になりつつあることが分かりますね。大企業の成長を支えたキャリアや経験を持つプロ人材は、多くの中小企業から求められているのです。

プロ人材の採用後のキャリアプラン・事例

プロ人材は採用先の企業で本当に活躍できているのでしょうか?
ここでは、実際にプロ人材として転職した方の成功事例を見てみましょう。

事例1.  ㈱グリーンオーナメント(大阪府)の場合

酒井さんは、経理畑20年の経歴で得た幅広い知識とスキルを活かし、㈱グリーンオーナメントにプロ人材として転職しました。
転職前の酒井さんは、長年の業務経験から経理をやり切ったという思いがあり、もっと経営の仕事がしたいと考えていました。
同社の求人では、経理以外にも幹部候補として経営企画業務に従事できるとあり、転職を決意したそうです。

転職後の酒井さんは、紙ベースの経理を少しずつシステム化するなど、作業の効率化を図り、会社に貢献しています。将来的には経営管理の仕事もしたいと考えています。
(参考サイト:大阪府プロ人材戦略拠点

事例2. オオアサ電子㈱(広島県)の場合

高野さんは、大手電機メーカーの営業マンから、プロ人材としてオオアサ電子㈱の営業部担当部長に転職しました。
同社は、厳しい経営状況から脱するために開発した自社製品スピーカーの販路開拓に長けた人材を募集していました。
高野さんは、前職で得た人脈や経験を駆使して売り上げに尽力し、さらに東京にショールームを設けて、消費者に直接商品の魅力を伝えていきました。
その結果、自社製品はグッドデザイン賞を受賞しました。
同社は世界有数のスピーカーブランドを目指して邁進中です。
(参考サイト:オオアサ電子㈱HP

プロ人材になるには

「自分もプロ人材として働きたい」と希望する人は、どうすればプロ人材になれるのでしょうか?

プロ人材に必要な要素

プロ人材に求められる経歴としては、たとえば以下のようなものが考えられます。

・企業経営や事業部管理の経験者
・新規事業の立ち上げ経験者
・海外事業のマネジメント経験者
・開発リーダーや工場長の経験者

地域や企業によっては、語学に優れた人材や、CADに精通した人材、ベテランの知識・経験を継承し、社員を育成できる30~40代、IT化を促進できる人材など、具体的なスキルを持つプロ人材の求人もあります。

また、プロ人材戦略拠点を利用する中小企業は、何かしらの課題を抱えており、その課題を解決できる人材を求めています。プロ人材に必要な要素は、これまでの経歴に加えて、「その企業の課題解決に向けて前向きなチャレンジ精神を持てるか?」ということも重要であるといえるでしょう。

自分を高く売るためにはプロ人材のプロに相談

プロ人材が自分を高く売るためには、人材ビジネス事業者へ相談するのがスムーズです。

特に、プロ人材に特化した人材ビジネス事業者であれば、自分の経歴と企業の欲しい人材がマッチした、魅力的な企業の求人を見つけられる可能性が高くなります。

プロ人材と企業を結ぶプロ人材紹介サービス「プロの副業」

まとめ

プロ人材の定義や国の戦略、プロ人材採用の実例について見てきました。プロ人材戦略拠点では、ヒアリングにより企業の求めるプロ人材を明確にしているため、ミスマッチが起こりにくいのがメリットです。これはプロ人材の方にとって安心材料となります。

あなたのキャリアを活かして、魅力ある企業でプロ人材として活躍しましょう。

The following two tabs change content below.

パラレルワーカー

肩書はCHROではありますが、基本はマーケティング全般や事業企画などが得意で過去には副業紹介サービス「プロの副業」も立上げました。

関連記事

  1. 【これからの働き方】正社員はこうなる!フリーランスはどうなる?

  2. 常識を疑え!働き方改革は新しい常識の創出がキーポイント

  3. 「働き方改革事例まとめ②」雇用自由化がもたらす実力主義

  4. 働き方改革は失敗なのか?自主独立の精神がなければその通り

  5. フリーエージェント(フリーランス)という働き方

  6. 副業解禁の流れ、企業に任せていてもいいのか?

PAGE TOP