働き方改革

「働き方改革の事例まとめ①」働き方改革はもう始まっている。

政府が推進する働き方改革。
前回、社会の反応は思いの外早く、大手企業はすでにその波に乗り始めていると解説しました。では実際どのような事例があるのか。今回はそれについてまとめてみました。

雇用のダイバーシティー

まずは雇用のダイバーシティー化に成功した企業の実例を見ていきましょう。

株式会社サイバーエージェント「女性活躍促進制度」

女性の社会進出や職場での活躍の場を広げる運動は昔からありましたが、このサイバーエージェントが始めた制度は少し趣が違います。

かつては、女性支援といえば産休や育休といった子育て支援が多かったのですが、これはその前段階。女性が、子供を産むために行う「妊活」もまた会社が支援し促進していこうという制度です。

内容は、まず一番重要なものとしては、妊活のための休暇を用意したという点です。しかし、妊活のために会社を休むというのは、女性にとっては極めてプライバシーのレベルの高い内容であると同時に、周りに非常に気を遣うことでもあります。

そこで、この制度ではその休暇の目的を明確にしない、女性専用のエフ休という項目を作ったことにあります。
これにより妊活を求める女性社員の負担は軽減され、より広範囲に女性の労働力を得ることを可能にしたわけです。

株式会社みずほフィナンシャルグループ「ハートフルアクション」

働き方改革では、いかに完成されたスキルを活かせるのかが重要になってきます。その点で、このみずほフィナンシャルグループのハートフルアクションは、年齢というボーダーを超えたダイバーシティー政策として非常に注目すべきものです。

というのも、普通年齢を超えたスキルの活用というのは高齢者の雇用対策が基本です。もちろんこのハートフルアクションは定年を65歳まで延長することによって、高齢者向けの顧客対応やベテランの経験を生かした業務遂行の一助となっています。

しかし、一方で30~40代世代の支店長への登用という項目も、このハートフルアクションにはあるのです。
これにより、年功序列で順番待ちをしていた人材が、若いうちに実践的な幹部候補教育を受けることができ、幹部の育成がよりスピード感をもって達成できるようになったのです。

まさにこれが、高齢者対策のための年齢の分野でのダイバーシティーではないことの証明です。高齢者だから若者だからというわけではなく、年齢を超えた有能な才能の有効活用。まさにボーダレスな働き方の提案といえます。

株式会社本田技研工業「多様性推進室」

まさにダイバーシティーを行うと明言しているこの組織。
人種や性別など様々な分野においてその活躍を推進し、様々な取り組みを行っている組織ですが、その中に年齢に関する取り組みももちろんあります。

それは一見平凡な取り組みです。
65歳への定年延長、役員の定年制度導入、高齢者の給与水準の維持、など、そのタイトルだけをとってみれば取り立てて新しい発見のないものです。

しかし、この中で、実は、高齢者の給与水準の維持という項目が、大きな社会における変革の起爆剤となっているのです。というのも、一般に高齢者の再雇用や雇用延長は、給与水準の対価がセットとして存在します。

これは、高齢者に閑職を与え、とりあえず給料を出していればいいという感覚の企業にありがちなことなのですが、これが給与水準を維持するとなるとそうはいきません。それは、真の意味で現役の続行。高齢者も、その給与水準を満たすべく、モチベーション高く、若い社員と同等に競争しなければならないということなのです。
そしてそれは当然若い社員のモチベーションも上げる効果があります。

年齢を言い訳にしない、再雇用や雇用延長をただの恩情にしない。まさに、年齢をボーダーととらえないダイバーシティーを実現した働き方改革の実例といえるでしょう。

株式会社ふくや「網の目コミュニケーション室」

明太子でおなじみのふくや。 このふくやの中にある社内組織「網の目コミュニケーション室」が実施しているのは、より実質的現実的な子育て支援。

ただ育児休暇を与えるのではなく、また、その休暇に理解をするのでもなく。より育児休暇を効率的に有効に活用できるよう、会社がバックアップし、その後の会社復帰をスムーズに行えるようサポートするそんな子育て支援なのです。

たとえば、育休に関しては、育児休養明けの雇用形態を本人が希望する形で取れる制度や育児休暇中に社内報や近況報告の手紙が届く制度などがあります。また、復帰後も、学校行事に積極的に参加できるように勤務調整やPTA役員となった社員への手当支給などその内容は多岐にわたって現実的な効果をもたらすものです。

これにより、ふくやにおいて、育休の取得率や子育て後の復帰率はかなりのレベルで向上。即戦力として育った人材を、出産や育児というイベントによって失うことがない、また、よりその質を向上させることに成功しているのです。

これもまた、女性という性に対する、ダイバーシティーであると同時に、家庭を持っている社員というものに対するダイバーシティーであるともいえる働き方改革の事例です。

株式会社リンク・ソリューション「ベトナム人雇用」

外国人雇用といえば、労働力の確保を安価に行うというのが大きな目的でもあります。
しかし、このリンク・ソリューションの行っているベトナム人の雇用は、何も安い労働者を確保したいという目的で行われているのではありません。

それは、日本人社員の国際性の確保のために始まったことなのです。つまり、会社内で多くのベトナム人社員と交流し共に仕事していくことで、国際性の乏しかった日本人社員に国際感覚が身につくということなのです。
まさに、これこそダイバーシティーの効果といえるでしょう。

というのも、ダイバーシティーとは一般的に多様性であるといわれ、会社のダイバーシティーとは、会社内に多様な個性を引き受けることだといわれています。しかし、このリンク・ソリューションのそれは、会社の多様化を進めることで社員個人の多様性のレベルを上げるということなのです。まさにこれは、労働者個人の改革にも効果のある、働き方改革なのです。

雇用の多様性は脱落者を減らす

さて、まずは多様性の獲得に成功した働き方改革の事例を見てきました。では、これを見てわかることは何だとお感じですか。そう、ダイバーシティーつまり多様性の獲得によって得られるのは、多様化していく人材の中で主流派ではない人材の流出を防ぐ

言い換えれば、多様化していく人材の中から脱落者を出さないという改革だということなのです。高齢者である、若者である、妊活中である、妊娠・出産を経験している・子供がいる・外国人である、といったスキルや実務能力とは関係ない理由でこれまで多くの人材が企業の一線から脱落していきました。

しかし、働き方改革でダイバーシティーを獲得した企業であればこのような脱落者をできるだけ減らすことができるのです。言い換えれば、普通の社員であることで脱落者抜けた穴を埋めていくような待遇の良化は望めなくなったということ。まさに、働き方改革のもたらすであろう、フラットでボーダレスな競争社会というものを感じることのできる、そんな事例だといえるのではないでしょうか。

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