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人間はAIとどう付き合うか【01】10年後になくなる仕事

2017年世間を大いに沸かせた将棋界。
ひふみんの面白キャラに始まり、天才藤井聡太の出現、そして羽生永世七冠王に終わった将棋界の華やかな一年ですが、実はもう一つ大きなニュースがありました。
それが、現役名人である佐藤天彦名人がであるが将棋ソフトに完敗するという、驚異の出来事。
これはつまり、現在将棋界のトップの一翼を担う(将棋界は竜王と名人が並んでトップ)人間がAIに敗北したということ。
まさにAI無双時代の到来を予見させる出来事だったのです。

2014年にオックス―フォードが発表した驚くべき事実

しかし、このAI無双の時代は、ずいぶん前から想像されているものでした。
というのも、将棋のトップがソフトに負ける3年前の2014年、なんとあのオックスフォード大学が「10年後になくなる仕事」と銘打った発表をしたのです。
そしてその内容は、衝撃的なものでした。

その発表された職業の内訳はこれをご覧ください。

今後10~20年の間に消える仕事

これを見てわかることは、AI技術の発達で消えいく職業の系統に、まったくもって統一性がないということです。
これまでAIの進化によってなくなる職業といえば、いわゆる知識労働系の仕事や単純労働系の仕事が主だというイメージを持っていた人も多いと思いますが、そう考えるとかなり意外です。
というのも、特に技術職、つまり手に職を持った職人さんたちが多く含まれているからなんですね。
本来であれば、人間の積み重ねてきた叡智と、人間にしかわからない感覚などが何より重要とされる職人技術もAIによって駆逐されるというのですから、複雑な思いです。
しかし、冒頭に述べた将棋も、実は職人と同じものだと考えればきっと納得できるでしょう。
将棋は、数百年にわたって積み重ねられてきた日本人の叡智とそして人間にしかわからない勝負勘や駆け引きが重要視されるものであることは言うまでもありません。
その将棋も、もはや人間はAIにはかなわないのです。

入っていないのは芸術系のみ

しかし、ここに一つは一手いない系統の職業があります。それが芸術系。
彫刻師をのぞき(西洋の発想では彫刻家は職人)、このリストの中には小説家も漫画家も音楽家も絵描きも入っていないのです。
このことについてこの研究に関わったマイケル・A・オズボーン準教授はこう言っています。
「クリエイティブエコノミーの時代が訪れるのだ」と。
このクリエイティブエコノミーとはなにかといえば、これからの世界においては、労働の大半がAIにその職を奪われ、残された人間たちはアートの分野でしか生き残れないということです。
そしてオズボーン準教授はこのことを「人間にとっては歓迎すべきことだ」とも言っています。
確かに、単純に考えれば、労働という状況から解放されて、雑事をすべてAIの任せることでクリエイティブなことに明け暮れる日常というのは素晴らしい気もします。
しかし、あくまでこれは学者の夢想。
現実はそうはいかないということを、私たちは歴史に学べばわかるはずなのです。

古代ギリシャの思索の日々は終わった

というのも、このクリエイティブエコノミーは、かつてのヨーロッパに似ているからです。
そうそれは、ソクラテスやアリストテレス、デモクリトスという数々の哲学者を生んだ古代ギリシャのクリエイティブな繁栄の日々です。
ご存知の通り、この当時、人々は数々の思想と宗教、そして芸術をこの世に生み出しました。
それはなぜか。それは、戦争により捕虜とした奴隷が、日々の雑事を一手に引き受けていた事で、ギリシャの一般市民は労働という枷からほぼ解放されていたからにほかなりません。
つまり、この奴隷たちと現代のAIはほとんど同じものだということなのです。
ではそんな古代ギリシャはどうなってしまったのか、それは言うまでもなく、オスマントルコなどのイスラム文化圏や古代ローマ帝国に併呑され消滅したのです。
それは、奴隷による労働からの解放でギリシャという国が弱体化したことが主な原因です。
思索と芸術の日々は、人々から団結と協調を奪い、様々な考えと価値観が混在するようになったギリシャはそんなカオスな状況に、自ら滅びたのです。
このギリシャの失敗が、なぜ人間そのものに起こらないと言えるのか、不思議でなりませんよね。

なくなる仕事をなくさない価値観

私たちは、AIを奴隷としその上に胡坐をかくことで、衰退していくことはできません。
古代ギリシャであれば、それは人間から人間への主導権の移譲でしたが、いま直面しているのは人間からAIつまり機械への主導権の移譲なのです。
それはつまり、人類文明の崩壊です。

人間は働かなければいけない

学者というものは、基本的に自分の分野にだけ精通した人たちです。
学者が言うから間違いはないとか、学者の言うことに素人が異論を唱えるのは間違っているというのは、それこそ間違いで、むしろ学者の言うことは話半分に聞くべきです。
ですから、AIに仕事を奪われることで人類に幸せが訪れるというのはきっと間違いです。
というのも、人間が労働から解放されるというのは、確かに聞こえはいいですが、裏を返せばそれは人間がAIなしでは生きていけなくなるということです。
つまりそれは、AIの命を握られるということ。
また、ほかの側面からみれば、AIの主導権をとる人物が現れたら、たった一人でボタン一つ押せば世界人類全てを脅迫できるということでもあります。
もうここまでくるとSFですが、しかし、現代は週十年前から見れば十分SF。ありえないことではありません。
そう考えると、すべての仕事をAIにゆだねることがいかに危険な事なのかがわかっていただけると思います、そしてこう思うはずです、人間は働かなければいけない。と。

労働に究極のアートを融合させる。

そうなれば、10年後になくなると言われた仕事を、唯々諾々となくすわけにはいかなくなるのです。
とは言え、計算能力でAIにかなうはずもなく、また精密作業や大規模作業もまたAIによって制御された機械にかなうはずもありません。
しかし、そこに活路はきっとあるはずです。
たとえば、最初に申し上げた将棋がそうです。
確かに、将棋の最高位の一つである名人はAIに敗北しました、しかしそれで棋士という職業がなくなるかといえばそんなことはありません。
というのも、それはゲームという単純作業であると同時に、エンターテインメントという芸術でもあるからです。
そこには、AIに及ばないクリエイティブな側面が間違いなく存在し、そこには、美学という名のアーティスティックな根幹が存在します。
そう、実はこれこそが、AIにより仕事が奪われる時代の活路になると思うのです。
というのも、将棋がそうであるように、人間の行うすべての労働には人間性という究極のアートが融合できるはずだからです。
そう、非クリエイティブな仕事をAIに任せるのではなく、仕事に人間性という究極のクリエイティブなアートを組み込めばいいのです。

クリエイティブで自由な精神の人間になる

そこで、現代の人間に求められるのは自由でクリエイティブな精神です。
これまでのルールや常識、モラルに則った、そんな常識という枷にはめられた精神ではなく、自由で創造性にあふれる精神を身に着けることが必須になるのです。
そうすることで、人間は、単純労働にAIではなし得ない創造性を持たせることができるはずです。
そうすることで、人間は、職人的な製造業にAIではまねできないアーティスティック内装を凝らすことができるはずです。
そうAIはイスを作ることはできても、芸術度の高いイスを作ることはできません。
また、AIが美味しい食事を作ることができても、新発想の料理を作ることも、おいしいに楽しいやうれしいと言った感動を付加することもできないのです。
もちろんそんな感動を、ただの営業職や事務職に求めるのは難しい事です。
しかし、もはや人間がAIに勝てる分野がそこにしかないというのであれば、そこに触手を伸ばし開拓していかなければその仕事は消えてしまうのです。
AIにしろ機械にしろ、それは人間の幸せのために開発されたものです。
しかし、仕事にクリエイティブな喜びとアーティスティックな感動を組み込むことができなければ、人間はAIのために存在する生物になってしまうのです。
そんなこと、人類の一員として耐えられるはずもありません。

10年後の仕事?いえ、これは人類の存亡をかけた問題です

10年後、といえばかなり時間があるように思いますが、2018年現在、2014年の10年後はあと6年後の未来です。
そう、もうたった6年後の未来なのです。
2018年から6年前といえば2012年、スカイツリーが開業した年です。そう、ごくごく最近なのです。
あのスカイツリーが開業した年から、2018年の今現在に至るまでの短い時間で、多くの職業がAIに奪われるというのですから、悠長なことは言ってられないのです。
そうこれは、ある意味競争です。
たったそれだけしかない短い間に、人間はいかにAIにまねできない人間性という最高級のクリエイティブを仕事に盛り込むことができるのか。
そんなことのできる、自由で創造性のある人間になれるのか。
大げさでもなんでもなく、これは、今まで人類が体験したことのない、人類の存亡をかける戦いの序章です。
それが大げさではないこと、そしてある意味週末戦争ともいえるこの戦いをどう勝ち抜いていけばよいのか、それについては次の『2045年問題と戦う(次の原稿へのリンク)』でさらに迫っていこうと思います。

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amagin

amagin

自由な働き方を夢みて日々社畜生活をしているアラサーです。 好きなものは肉。いきなりステーキマニア。

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