皆さんはリンダ・グラットンという人物をご存知だろうか。
彼女は経営学会のアカデミー賞とも言われるThinkers50のランキングにおいて12位にランクされる人物で、フィナンシャル・タイムズをして『これからの10年において最も衝撃的なビジネス理論家』と称された人物です。
今回ご紹介するのはそんなリンダ・グラットンの著書『ワーク・シフト』
論理性の高い予測は予言に匹敵する、そう感じさせるこの著書が提示する未来の姿。
その世界で生きていくための『ワーク・シフト』の実態。
知らないと、これからの社会は生きていけないかもしれませんよ。
名著『ワーク・シフト』に迫る
リンダ・グラットンの名著『ワーク・シフト』内で語られるのは、2025年の未来。
世界有数の頭脳である著者の予測をもとに書かれたその世界は、触れられるほどの現実感と説得力に満ちていて、本当に予言と言って良い域に達しているのを感じるほどです。
この本の中では、そんなリアルな未来世界において、働き方がどう変わっていっているのかについて書かれています。
そして、その常識が覆された新しい働き方の中で生きていくためには、一体どんな風に人間がその働き方を転換させていくべきなのかについて書いてある、それが本作『ワーク・シフト(働き方の転換)』です。
著作の詳しい内容については、ぜひとも読んでいただきたいので詳細に触れることはしませんが、読むほどに感じるそこはかとない恐怖。
それは、彼女が予言する世界の輪郭が、もはや今現在に薄ぼんやりと見えてきているという現実があるから。
『ワーク・シフト』の中で語られる世界では、適応しその世界を謳歌する人間と、適応できずに苦悩を抱える二種類の人間が書かれているのですが、その二択が間近に迫っている恐怖感がそこにはあります。
あなたは、どちら側の人間になるのか。
そのためにはいかに『シフト』する必要があるのか。
今はその、選択の時期なのかもしれません。
『ワーク・シフト』から考える、シフトの方向性。
『ワーク・シフト』において未来の世界の特徴とされるのは次の5点です。
①技術革新の連続的進化
②広域的グローバリズムの一般化
③長寿化
④社会の変化
⑤環境問題、エネルギー資源問題の深刻化
こうして並べてみると、まさにいま日本が直面している問題そのものに思える当たりがすごいですよね。
『ワーク・シフト』では、コレによって働き方は次にあげる3つの資本別の観点から変わっていく、もしくは変えていかなければならないと書いてあります。それが、
【1】知的資本【2】人的資本【3】情緒的資本
の3つの観点です。
ココからはその3つの観点から、ワーク・シフトのあり方について考えてみたいと思います。
【1】知的資本
知的資本とは、つまりは専門技術のこと。
これまでの社会では、広く浅く様々な知識を有している人間こそが有用な人材だとされてきました。
しかし、未来の世界においては広域的なグローバリズムとAI化によって、広い知識やある程度の知的作業といったものは、価値を失っていくと考えられています。
そんな社会において求められるのは、先進的で専門的な知識。もしくは技術。
簡単にいえば「誰にでもできることが出来なくても誰にもできないことができる人材」こそが、求められる社会になるとされているのです。
そしてそれを学び磨き続けることが必要だと、書いてあるのです。
【2】人的資本
人的資本とは人間関係です。
これまでの狭い交友関係の中において人間関係とは、競争相手であることが一般的でした。
しかし、グローバル化とIT化によって、人間一人が築くことのできる人間関係の広さと多様さは圧倒的な速度を持って広まる世界になっていくのです。
そんな世界において、他者は競争する相手ではなく、共に創り出すパートナーとしたほうが圧倒的に有利。
かつてとは比べ物にならないほど多彩で多様な人間関係が作り出せる社会において、それは個人では到達できない高みへ至るための資本だということなのです。
【3】情緒的資本
情緒的資本とはつまり感情の引き起こすモチベーションのこと。
未来の世界では、これまでの価値観が衰滅し、新しい価値観が生まれてくるわけですが、それは一つの固定的な価値観が生まれてくるということではなく、多様かつ細分化された価値観を選択できるということです。
つまり、人生の充足感を求める単位がお金ではなく、どう働くかという観点に移るということ。
人生における目標、そして労働における最大の成果がお金ではなくなり、いかにその仕事か自分に充足感を与え幸せにしてくれるかに変わってくる。
まさにコレが、『ワーク・シフト』の言う働き方の転換なのです。
まとめ
いかがでしたか。
つまり、『ワーク・シフト』が提唱する世界とその世界での働き方というのは、現状における常識からの脱却だということだといえるでしょう。
専門的なスキルを使って、様々な人間関係を駆使し、お金でなく人生の充足感のために働く。
働き方が多様になり、フリーランスやパラレルワークも働き方の一つとして、これから市民権を得ていくだろう現代において、この『ワーク・シフト』の観点は非常に参考になります。
これからの世界を生き抜くために。
一度読んでみてはいかがでしょうか。
パラレルワーカー
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