採用関連

リファラル採用とは、新しい働き方の始発点。

政府の働き方改革なども手伝って、今や日本人の働き方も、多種多様になってきました。
しかし、では実際そのスタートであるリクルーティング、つまり就職活動と採用についてはどうかというと、未だに旧態依然とした採用形態が幅を利かせているのが実体です。
そんな中、いま企業間で注目されている採用形態が、今回ご紹介するリファラル採用(リファラルリクルーティング)。
ここでは、そのリファラル採用について迫ってみようと思います。

リファラル採用ならほぼ無コストで採用できる

リファラルとは、英語で「紹介」「推薦」と言った意味で、リファラルマーケティングなどでその言葉を目にすることもあると思います。
つまり、リファラル採用とは、紹介や推薦による採用という意味になります。
では、誰が紹介や推薦をするのか、それがこのリファラル採用の一番の特徴でありその本質でもある部分で、実はこの紹介や推薦を普通の社員が行うというものなのです。
その理由はズバリ、コストカット。
一般に一人の人間を採用するためには、就職情報誌に情報を掲載したり、または人材派遣業者に依頼したりとかなりの金額のコストがかかります。
これまでは、そのコストは省くことの出来ないコストとして認識され、それは大手はもちろんのこと中小企業においては特に経営を圧迫する難しい課題でもあったのです。
ところがリファラル採用なら、人材を見つけてきて面接まで運んでくるのは、自社の社員です。
もちろん殆どの場合は、採用すべき人材を紹介した社員にはインセンティブが払われますのでその部分のコストはかかりますが、正規のルートに比べればないも同然。
コストカットにはうってつけの方法といえます。

リファラル採用のメリットはコストだけではない。

リファラル採用は、その目的自体がコストカットですから一番のメリットは当然コストカットです。
しかし、このリファラル採用が、欧米において総労働人口の25%にも登るほどに当たり前になっている理由は、当然コストカットだけではありません。
実は、この採用方法の隠れたメリットとして、人材の質が高く離職率が低いというものがあるのです。
というのも、人材をスカウティングしてくるのは社員ですから、社の内情に詳しいのは当然です。
また、スカウティングしてくる人材は、知人や友人といった旧知の仲であったり、外部の仕事仲間と言ったそのスキルに信頼性のある人材になります。
こういった人材は、社内の雰囲気に合わないという危険性も低く、またスキルの相違や不足が起きる恐れも低いのです。
さらに、なにかあったときに、新入社員でありながら気心の知れた相談相手がいるというのも大きなメリットです。
このように、リファラル採用には、大きなメリットが有るのです。

縁故採用とはどう違うのか

リファラル採用と同種の採用方法として、日本には縁故採用というものがあります。
これは説明するまでもなく、家族や親類、縁者を採用するというシステムですが、これは一般的にリファラル採用とは別のものと規定されています。
まず一番の違いは、リファラル採用は、家族・親族や縁故者に限っていないという点です。
しかも、一般に縁故採用はコネ採用とも言われ、社内でも社外でもいいイメージはありません。
これは、縁故採用において採用するものとされるものの関係が、その外形的な関係にだけ起因していて、そのスキルや人格に全く関係ないという側面があるからです。
対して、リファラル採用は全く違います。
リファラル採用は縁故採用のような外形的な関係性だけでなく、スキルや人間性などもきちんと採用基準に入るのです。
これは、縁故採用が採用される側のメリットだけに拠っているのと違って、リファラル採用では採用側と採用される側の両者のメリットを担保しているということ。
ですので、現在忌避されることの多い縁故採用とリファラル採用は、全く違うものだと思って間違いないのです。

日本の大手企業も続々と採用

このリファラル採用に関しては、先程も説明したように欧米ではメジャーです。
しかし、やはり日本ではその存在感は薄く、どちらかと言うと知らない人が多い採用形態であると言っても過言ではありません。
しかし、やはり先進性の高いネット企業やIT企業などでは積極的に導入する企業が増えてきています。
最近では、ネットのみならず、テレビCMなどでも見ない日はない勢いにまで成長した、フリマアプリの「メルカリ」がその代表格となります。
また、ネット上で画像素材を提供する「PIXTA」も同じくリファラル採用を導入しています。
この2社は、一般社員のみならず、経営陣などの上位の社員にもリファラル採用を導入することで、その風土を定着させることに成功しています。
他にも「面白法人カヤック」や「株式会社エウレカ」など、ネット上の企業の中でもより先進的な企業においては、もはや当たり前の採用方式となっていると考えて間違いありません。

まとめ

いかがでしたか。
今後IT系を中心に様々な企業で、このリファラル採用は増えていくものと思われます。
これからわかることは、自分自身のスキルをきちんと磨きそれを積極的に披露する場を設けることで、採用の際プラスに働くこともあり得るということ。
というのも、スキルがなくては友人知人が会社に誘ってくれる可能性は減りますし、スキルがあっても友人知人がそれを知らなければ同じようにチャンスは減ります。
新しい採用方法の特徴を知り、それを参考に自分のあり方を見直す。
これからはそんな必要も生まれてくるのかもしれませんね。

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パラレルワーカー

肩書はCHROではありますが、基本はマーケティング全般や事業企画などが得意で過去には副業紹介サービス「プロの副業」も立上げました。
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